裁判員裁判による死刑判決が破棄された事例

裁判員裁判による死刑判決が破棄された事例 更新 2024.6.14

2009年(平成21年)5月21日に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(通称:裁判員法)」が施行され、同年8月3日に東京地方裁判所で初めて裁判員制度による公判が開かれました。司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上を期する裁判員制度ですが、2013年(平成25年)年6月20日、東京高等裁判所が裁判員裁判による第一審の死刑判決を初めて破棄し、その後、控訴審判決が最高裁で確定しました。裁判官のみで審理される控訴審において一審・裁判員裁判による死刑判決が破棄されるケースはその後も続き、現在(2024年6月14日)までに8件となりました。

死刑に値するか否かの判断が、第一審とその後でどのように変遷したのか、判決や当時の新聞報道など、公にされている情報からその軌跡をたどりました。
下記の各事件の通称をクリックすると、詳細をご覧いただくことが出来ます。

事件の通称 第一審 判決日
裁判所
控訴審 判決日
裁判所
上告審 判決日
「南青山強盗殺人事件」 2011(平23)年3月15日
東京地裁
2013(平25)年6月20日
東京高裁
2015(平27)年2月3日
「松戸女子大生殺害放火事件」 2011(平23)年6月30日
千葉地裁
2013(平25)年10月8日
東京高裁
2015(平27)年2月3日
「長野一家3人強殺事件」 2011(平23)年12月6日
長野地裁
2014(平26)年2月27日
東京高裁
2015(平27)年2月9日
「大阪ミナミ通り魔殺人事件」 2015(平27)年6月26日
大阪地裁
2017(平29)年3月9日
大阪高裁
2019(令1)年12月2日
「神戸・小1女児殺害事件」 2016(平28)年3月18日
神戸地裁
2017(平29)年3月10日
大阪高裁
2019(令1)年7月1日
「洲本5人刺殺事件」 2017(平29)年3月22日
神戸地裁
2020(令2)年1月27日
大阪高裁
2021(令3)年1月20日
「熊谷市6人殺害事件」 2018(平30)年3月9日
さいたま地裁
2019(令1)年12月5日
東京高裁
2020(令2)年9月9日
「福島2人ひき逃げ殺人事件」 2021(令3)年6月29日
福島地裁郡山支部
2023(令5)年2月16日
仙台高裁
2024(令6)年5月27日

※本ページの引用方法(推奨):CrimeInfo(crimeinfo.jp)掲載『裁判員裁判による死刑判決が破棄された事例』より引用
出典の略語等については、こちらの説明をご覧ください。
※なお、裁判員裁判による死刑判決については、2024年5月20日、裁判員経験者らが、死刑執行停止の要請書を小泉龍司法相に提出しています。実際に提出された要請書はこちらをご覧ください。【死刑執行停止の要請書】(PDF)(2024年5月20日提出)