令和6年11月15日(金)死刑制度の存廃に関する質疑について

令和6年11月15日(金)法務大臣閣議後記者会見の概要

死刑制度の存廃に関する質疑について

【記者】
 おととい、法曹関係者や学者らで作る「日本の死刑制度について考える懇話会」は、誤った裁判やえん罪のおそれがあると指摘した上で、死刑の存廃などを検討する公的な会議体を早急に設置するよう国会と内閣に提言しました。
 会議体を作ることについて大臣のお考えと、改めて死刑制度の存廃について大臣の御認識を併せてお伺いします。

【大臣】
 御指摘の、「日本の死刑制度について考える懇話会」につきましては、一昨日、御指摘いただきました提言を内容とする報告書を公表したということを、私も承知しています。
 死刑制度の存廃は、我が国の刑事司法制度の根幹に関わるような重要な課題です。国民世論に十分に配慮しつつ、社会における正義の実現等種々の観点から慎重に検討すべき課題であろうと思っています。
 国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えているということ、そして、多数の者に対する殺人、あるいは強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだに後を絶たない状況に鑑みると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ないというふうに考えています。
 そして、法務省としてということでありますけれども、死刑制度を廃止することが適当ではないと考えています。現時点において、死刑制度の存廃等について検討する会議体を設けるということについては考えていません。
 いずれにしましても、死刑制度の在り方については、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題であり、今般の懇話会の御議論、これも含めて多くの皆様方が、その必要性を感じて、自ら議論に参加する形で幅広い観点から議論がなされることが適切だと考えています。
 そうした議論の状況についても、引き続き注視してまいりたいと考えています。